ウェブサイト構築の入門ガイド：HTMLとCMSの選び方
山路博史
ウェブサイト構築の入門ガイド：HTMLとCMSの選び方
ウェブサイトを自作するには主に2つの方法があります：HTMLを使ったコーディングと、CMS（コンテンツ管理システム）を利用する方法です。
HTMLって何？
HTML（HyperText Markup Language）は、ウェブページを形作る基礎的な言語です。テキスト、画像、リンクなどのウェブページ上の要素をどのように配置するかを指示するために使用されます。タグという特定のコードを用いて、ブラウザがこれらを読み取り、ページを表示します。基本的なタグの知識はウェブ開発において欠かせません。
HTMLの鍵：タグと属性
一つのHTML文書は<html>で始まります。例えば、<h1>〜<h6>は見出し、<p>は段落、<img>とそのsrc属性を用いて画像を挿入し、<a>タグのhref属性でリンクを設定します。これらのタグを使いこなせば、整理された見栄えの良いページを作ることができます。
スタイルとレイアウト
ウェブページのレイアウトは<div>や<span>のようなタグで構成され、CSS（Cascading Style Sheets）と組み合わせることでデザインを調整できます。色やフォント、レスポンシブデザインなど、ページの視覚的要素を整えるのがCSSの役割です。
セマンティックウェブとは？
セマンティックウェブとは、ウェブ上の情報に意味（セマンティクス）を付与して、コンピューターが人間のように情報を理解し処理できるようにする技術のことです。この技術の目的は、ウェブ上のデータをより検索しやすくし、異なるソースからの情報を連携させて、新たな知識を生成することです。これにより、より効率的な検索結果や自動化された推論、パーソナライズされたサービスが可能になりウェブの進化形ともされています。
CMSって何？
CMS（Content Management System）は、ウェブサイトのコンテンツを効率的に管理・運営するためのシステムです。プログラミングの知識がなくても、テキストや画像などのコンテンツを容易にウェブサイトに追加・編集・削除できるように設計されています。テンプレートやプラグインを使い、コーディングの専門知識がなくてもウェブサイトを構築・管理することができます。
CMSのメリット
WordPressやJoomla、DrupalといったCMSは、直感的な操作でウェブサイトを作れます。デザイン選びや機能追加もプラグインで簡単。さらに、複数の人がサイトを管理しやすいマルチユーザー機能があります。
CMSの種類
無料で使えるオープンソースのCMSから、サポートが手厚い商用のCMSまで、選択肢は様々です。オープンソースはコミュニティの支援が、商用はビジネス向け機能が特徴です。
拡張性とコミュニティ
CMSは拡張機能でカスタマイズが可能です。オンラインストアや多言語サポートなど、ニーズに合わせてサイトを成長させられます。活発なユーザーコミュニティも魅力の一つです。
HTMLとCMSの比較
HTMLの利点と欠点
HTMLの強みは自由度の高さにありますが、知識が必要で初心者には難しいかもしれません。更新や管理も手作業が多くなりがちです。
CMSの利点と欠点
CMSは簡単に始められる反面、カスタマイズには制限があることも。また、セキュリティやパフォーマンスの問題が生じることもあります。
どちらを選ぶべき？
どちらを選ぶべきかは、ウェブサイトの目的と運営者の技術レベルによります。
単純なブログや中小企業のウェブサイトであればCMSが適していますが、細かなカスタマイズを要求される大規模なプロジェクトにはHTMLベースの開発が適しています。また、ウェブ開発の学習を目指す場合にはHTMLの使用が適しています。
HTMLは自由度が高く、CMSは利便性という面でユーザーフレンドリーです。ウェブサイトの目的や個人のスキルセットを考慮した上で、最良の選択をすることが成功への鍵です。どちらを選ぶかは、プロジェクトの要件や予算、管理のしやすさ、将来の拡張の可能性など、複数の要因を総合的に検討して決定します。
